現在使用されているヒトインスリンは.1921年の発見以来.一般臨床では注射(静脈.筋肉.皮下)
による投与のみが用いられてきました.
インスリン発見後.早期がら注射以外の投与が試みられてきました.
現在まで眼瞼.鼻腔.□腔.上部•下部消化管粘膜など経粘膜投与が試みられてきましたが.広く
臨床応用されるまでには至つておりません.
ながでももつとも実用の可能性があつたのが.吸入インスリンです.その理由は.肺胞表面積が
深呼吸時約100m2 (テニスコ一卜約半分)と広いこと.低分子物質は肺胞からよく吸収されることな
どからです.
そのため.この経路による投与方法の検討が続けられ,実用化に至りました.速効型インスリン製剤
の乾燥粉末が吸入インスリンとして用いられています.
代表的な吸入インスリンとしてエクスペラ (Nektar. Sanofi Aventis. Pfizer社)
HIIP (Human Insulin Inhalation Powder : Eli Lilly, Alkermes社)
AERx (Novo Nordisk社)があり臨床試験結果が報告されています.
最初に挙げたエクスべラは.プリスタ一とよばれるパッケージの中に.インスリンのドライパウダーが
マニト一ル.グリシン.食塩と一緒に入っています.
手動のデバイスの中でプリスタ一を破裂させ.パウダーを均等に拡散させたところで吸い込むよう作
られています.
自身のインスリン分泌が低下している糖尿病患者さんでは.基礎分泌(食事しなくても出ている)
分の皮下注射インスリンと併用が必要な場合もあります.
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