2014年5月16日金曜日

吸入インスリンとは

現在使用されているヒトインスリンは.1921年の発見以来.一般臨床では注射(静脈.筋肉.皮下)

による投与のみが用いられてきました.



インスリン発見後.早期がら注射以外の投与が試みられてきました.

現在まで眼瞼.鼻腔.□腔.上部•下部消化管粘膜など経粘膜投与が試みられてきましたが.広く

臨床応用されるまでには至つておりません.



ながでももつとも実用の可能性があつたのが.吸入インスリンです.その理由は.肺胞表面積が

深呼吸時約100m2 (テニスコ一卜約半分)と広いこと.低分子物質は肺胞からよく吸収されることな

どからです.



そのため.この経路による投与方法の検討が続けられ,実用化に至りました.速効型インスリン製剤

の乾燥粉末が吸入インスリンとして用いられています.



代表的な吸入インスリンとしてエクスペラ (Nektar. Sanofi Aventis. Pfizer社)

HIIP (Human Insulin Inhalation Powder : Eli Lilly, Alkermes社)

AERx (Novo Nordisk社)があり臨床試験結果が報告されています.

最初に挙げたエクスべラは.プリスタ一とよばれるパッケージの中に.インスリンのドライパウダーが

マニト一ル.グリシン.食塩と一緒に入っています.



手動のデバイスの中でプリスタ一を破裂させ.パウダーを均等に拡散させたところで吸い込むよう作

られています.




自身のインスリン分泌が低下している糖尿病患者さんでは.基礎分泌(食事しなくても出ている)

分の皮下注射インスリンと併用が必要な場合もあります.

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