2014年5月6日火曜日

ナイチンゲールの両親と娘たち

フロレンスには一つ年上の姉(パース)がいました。二人とも愛らしく、個性豊かな子供でし

たが、どちらかというと、妹のフロレンスの方が頭がよく、人を惹きつける特別な魅力を持って

いました。ですから姉のパースはいつも損な立場にありました。何をするにもフローレンスの方

が優れ、皆に認められるのですから、姉としては複雑な気持ちだったことでしよう。いつの間に

かパースは、妹に対して強い所有欲を持つようになり、自分への強い崇拝と献身を求めるように

なっていきましたが、一方では、妹に対して強烈な羨望を抱いてもおりました。こうした二人の

関係は、成人し、それぞれの道を歩むようになってまでも、大きな影響を、特にフロレンスの生

き方に対して及ぼしていくことになるのです。





また、二人の娘と両親の関係も複雑な様相を呈しており、一見すベて順調で幸せそうに見える

家庭にあって、目には見えないしこりが存在し続けていました。




フロレンスは、父親とは深く共感し合えるものを持っていましたが、母親にはあまり強い愛着

を抱かずに育ちました。これは、フロレンスがあまりにも父親にその気質が似ていたためで、そ

の資質において正反対の母とは、どうしてもくい違うところが大きかったからだと思われます。



二人の娘の差異と両親の関係は、ウィリアムの教育方針によってさらに顕らかになっていきま

した。両親は、娘たちの教育を任せるに足る婦人家庭教師を探したのですが、理想に適う人が見

つからず、一八三ニ年には、ウイリアムは自らの手で娘たちの教育に当る決心をしたのでした。

娘たちは、ギリシャ語、ラテン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、歴史、哲学などを父親

から学んだのです。その教え方は厳しく、二人は長時間の学習に耐えぬかねばなりませんでした。

この間に、姉パースは完全についていけなくなり、妹フローはますます父との一体感を味わって

いきました。こうしてナイチンゲール家は、親子が二分されて育まれていったのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿