2014年5月6日火曜日

ナイチンゲール家の人々

フロレンスの生活は、絶えず多くの親戚や友人たちに取り囲まれていました。ファニイは十人

兄妹でしたし、その十人が若い頃から揃いも揃ってみな歓楽的催しが大好きで、疲れを知らずに

舞踏に興じ、宴会や行楽にでかけ、室内遊戯に熱中するといった有様でしたから、かれらは人一

倍強い一族意識のもとに、それぞれの結婚後も精力的に交際を続けていました。フロレンスが十

四歳の頃には、二十七人のいとこたちと、二十人にも及ぶおじやおばがおり、さらに祖母の兄弟

姉妹が、その子供や孫ともども加わり、互いに便りをかわし合い、訪問し、こまごまとした相談

をし合うといった具合で、日々息のつく暇もない忙しさの中に暮らしていました。




ところがフロレンスは、こうした生活に満足できず、どこか他の人たちとは違った感じ方をし

ていたところがありました。彼女はすでに六?にして、自分はエムブリイやリハーストの裕福で

安穏な生活に嫌気がさしていたと記しており、日常やりとりする手紙や相談の数々に、耐えられ

ない苦痛を感じ、少女時代には、

「何かきちんとした職業か、価値ある仕事がしたくてたまらなかった」と書いています。




こうした家庭環境の中で、ファニイは四十?をすぎ、もう子供が生まれる徴候はなくなりました。

もしこのままナイチンゲール家に男の子がなかったら、大叔父からの財産は、ウイリアムの

妹の長男が引き継ぐことになっていたのです。ウイリアムの妹、メイはファニイの弟、サム?ス

ミスと結婚し、一八三一年に男の子を生みました。このメイ叔母の息子、

ショアはナイチンゲール家では特別な地位が与えられました。

フロレンスにとってもショアは生涯で最も大切な人間の1人となりました。

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