足がつるとは,急激に起きる筋肉の不随意的収縮で.有
痛性かつ強直性で持続的な筋収縮を指します.いわゆる
"こむら返り”で.医学的には「筋痙れん」とよぴます.
腓腹筋(ふくらはぎ)におきることが多いため.「足がつる」といいますが,
ときに上肢や腹部の筋肉などにおきることもあります.透析治療の後半
に出現することが多く.いったん改善しても家に帰ってから再燃する
こともあります.透析患者さんで.筋痙れんがおきやすい理由ははっ
きりわかってはいません.
透析後半におきやすいことから.透析に
伴う大量の水分やNaの除去.これによる血圧低下や血漿浸透圧の低下,
電解質やpHの変化.筋肉内の酸素不足,末梢神経障害.自律神経障
害.筋肉の代謝に関連する物質の欠乏(例:L-カルニチン)などが考えられています.
こうした透析患者さんにみられる筋痙れんは.主に透析中のみに
おきるものと透析中以外にも認められるものに分けられます
筋痙れんの鑑別と原因・対応
①透析中のみにおこる筋痙れん
これは急速がつ大量除水に伴って透析後半におこることが多く.血
圧低下も認める場合には,生理食塩水(生食)200〰300mLの急速
注入を行ないます.血圧低下がない場合は.10%食塩水20〰40mL
をゆっくり注入し,同時に痙れんしている筋をゆっくりと伸展さ
せ.温湿布を行ないます.芍薬甘草湯包の内服が有効な場合もあります.
患者さんの体重管理に問題がある場合もありますが.ドライウェイ卜
(DW)の設定が低すぎる場合もあり,検討が必要です.また透析
開始早期から多人数の患者さんが同時に筋痙れんなどの症状を訴えた
場合には,透析液異常も考えねばなりません.
②透析中以外にもおこる筋痙れん
低Na血症や低Ca血症で筋痙れんがおきやすいといわれています.
不適切な食事や輸液.水分過剰.ビタミンD不足などの原因を検索す
る必要があります.
過激な運動後や甲状腺疾患.筋疾患.硬変の患者さんも筋痙れんを訴えやすいといわれています.
L-カルニチンは脂肪酸代謝に必要な物質ですが,
血液透析患者さんでは欠乏していると
いわれ.この内服により筋痙れんが改善するとの報告もあります.
Point
1筋痙れんかどうかの確認:筋が有痛性,強直性に収縮.
2透析間の体重増加の管理(DWの5%以内):塩分,水分管理.
3急速?大量除水の抑止:透析時間の延長など.
4DWを再検討する.
5予防:下肢の保温,芍薬甘草湯の透析前?中の内服.
6内服薬をチェックする.
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